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人生の記念日

おとなになるためには、避けては通れない、と思っていた。

高鳴る胸の鼓動。

知ってしまったら、戻れないような不安。

それでもやっぱり、未経験でなんていられないッ!!!

そう、それはステキなレディーへの登竜門ッ☆
にわとりの解体。


年のせいもあるが、豚や牛に対する燃え盛るような情熱は失せて久しい。
にもかかわらず、ダメだ…。鳥だけは我が人生、どうあっても辞められる気が全ッ然しない。
しからば、この手で、最後までお付き合いし、「命をいただく」全容を体験しておきたい。

そう思ってからどれくらい経っただろう。

朝市で敬愛する農家さんに「今年中に大人の階段を昇りたいのです。」と告白したら、「今夜どう?」とまさかの当日お誘いッ!
え!?そんな!急に!待ってッ!心の準備がッ!!

出来てるんだなー、すっかり。ということで、指定された日暮れどき、なにかこう神妙な面持ちで農園まで車を走らせた。
もうすっかり山道ばっちこい。

今夜絞めるのは二羽。ともに雄鶏とのこと。
鳥小屋から立派なサイズの雄鶏をほいと寄越してもらう。
飛ばないよう両手で羽を包み小脇に抱えると、羽越しに、犬猫うさぎ、毛のモノとは違うほのかで独特なあたたかさが伝わってくる。

これから、おいのち頂戴だ…。そう思うと、この雄鶏に対する真摯な気持ちからふと、言葉がでた。


「一緒になろうね」


自然に口に出た表現にウソはなかった。

自分の不安を気取られ、この温かい命の最後に狼狽が伝わることは何か失礼な気がした。
「いだだく」という覚悟を決めた今、食べることによる融合、一緒になる、という強い気持ちで、抱いている命に何がしかの平穏を伝えることができれば…

そう思い、つぶやきながら、そっと静かな視線でにわとりの表情に目を落とすと、ちょっと?

「部屋とYシャツと私」を聴いたときの男と同じような顔してますねアータ。

それを日本語では「戦慄」と呼びますけどねアータ。

あれ?誤解されちゃったかな〜?もう一度、笑顔でゆっくりと「一緒になろうね?」と伝えるも、100%状況をご理解しちゃってるご様子でただただ震え増すばかり。イヤ〜、ハッハッハ、なんだチミ、賢いぞッ。

こっちはシレッと美談にしたくとも、締められ解体される側からしたら「毒入りスープで一緒に逝こう」がごとき言葉通じぬ差し迫る狂気。ですよね〜、そらそうですよね〜。わかります、わかります、その気持ち。

結局、締める→むしる→バラす、の全ての行程を一人で行えたわけではないけれど、いのちが「たべもの」に変わる瞬間にはしっかりと立ち会った。

後日、Facebookで信州に暮らすお友達が「にわとり、始めましたッ!」と、たまご目当てのご家族を写真付きで紹介されていたのを目撃した際、あーーー、なるほど、こんな気持ちかー、、、と、友達のねーちゃんや妹をエロい目で見てしまった時の中学生男子みたいな気まずいうずうず気分を味わったことは当分内緒にしておきますゴクリ…。