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パラダイスなぬか床

先月の22日くらいだろうか、ぐっと暖かくなった日があった。

その日を境に、我が人生初の本格的なぬかを用いたぬか床が、野菜をかもし出したのである。
リリー・フランキー氏の「東京タワー以下略」の最後、おかんが亡くなった後、ずっと季節ごと時間を逆算しながら食卓におかんが提供し続けたぬか漬けの床を、誰かオンナ友達にあげようとしたのに断られてもう食えなくなった、みたいなくだりがあったと思うのだが、本が手元にないから詳細がよくわかんまい。

とにかく、私にとってぬか漬けは、確かに幼少の頃は母が漬けてくれていたものであり、リリーさんのおかんも漬けていたものであり、そして自分で漬けるのは時間の逆算とか毎日ひっくり返すとか、なんつーか手間隙かかりそうだ、ということで、もっぱら液体のエバラ浅漬けの元シリーズの、ぬか漬けの元にて生産するもので、ぬかを用いるような本格的なものではなかったのである。

ところで、パラダイス。

日本語でいうところの「楽園」という名前のお店が豊橋にはあった。

過去形なのは2年半程前に閉店してしまったからで、ウチの家族はとにかくここのぬか漬けが大好物だった。他で食べるのとは違い、なんだろう、とっても爽やかでフルーティなのだ。因みにこのフルーティという表現はスウィーツと同様で言いながら自分のみぞおちにグーをくれながら頬にはパーもお見舞いしたくなるのはなんなんだろう。


忘れもしない先月2月2日。


私は豊橋市役所で、「無職をこじらせすぎて残高が¥87しかないのに国保も年金も払えるわけねーだろ分納手続き」というものをブッ放すため受付順番札を取って座っていた。

無職を棚どころか天袋に上げ込んでの狼藉なのだが、無い袖は触れないしそもそも実家に巣食ってなければ袖どころか服だって着れてないかもなんだゼ!ヘイヘイ!というアタクシなので、目線は遠くの窓口までぼーっとしていた。


あそこにいる夫婦…。


それもおばちゃんの方…。


…おいしそうなのである。え?おかしくないか?と、脳がひっぱってきた「おいしいそう」という単語に疑問が湧くやいなや、あっ!!!!!!!!!

なんと、家族で、知らないウチに閉店していて常連でもなかったくせに「聴いてないわよ!聴いてないッ!」と大騒ぎした、あの楽園のおばちゃんではないですかーッ!!!

思わず立ち上がった私に、納税課の人が「今日のご用件は?」と聴いてきた。
「私ッッ!すみません!私あの人に、もしかしたら用があるかもなんですッ!!!」順番札を「は?」顔の担当者に押し返して、だんだん(え?!本当にそうか??人違いかもよ?)と不安になる気持ちを抑えて小走りで話し掛けた。


「あの!…違ったらスミマセン。。お店されてませんでしたか?」

おばちゃんは、ぎょっとしながら「…あ、あ〜ッ!やめちゃったのよ〜!」

「知ってます知ってます!私、どうしてもお願いがあるんですッ!!!ぬか床を分けてくださいッッ!!」


おばちゃんは、マスクをびろーんと引っ張った私を見て、アンタよくお父さんお母さんと3人で来てたわね!と思い出してくれた上に、突然の申し出に笑いながら、「お店を閉めた後、家でも作ってたけど、環境がよくなくて、夏場に湧いちゃってから作ってないの。でも、作り方なら教えてあげるわよ?」と言ってくれたのだ!!!

私は生まれて初めて米屋でベクレてない米ぬかをくれ!と言ったら¥100で巨大な米袋半分も買えることを知り、電話して確認したらオーストラリア産で放射能検査済みという「赤穂の天塩」に「赤穂」名乗っていいんか?と疑問を抱き、巨大しゃもじの代わりに、その時はまだ馬場さんの本を読む前だったからデカいプラスチックのフタ付き漬物バケツ抱えながら、おばちゃんの家に突撃したのだった。

捨て漬けをしながら約2週間。うーん。。こんな味じゃなかったけどなぁ。。。小首をかしげつつ、家族にも「塩辛い!!」と返品され、おばちゃんのぬか漬けホットダイヤルに電話しようかと思うや、本当にある日突然に、ぬか床はパラダイスになった。

どうしてもベクレた食品が流通してきて、外食なんかしようものならもうアータ、という世の中にあって、自分が出来る対策は、なるべく回避するのはもちろんだけど、回避できず摂取した結果、壊されてしまった細胞を元に戻す力を日々培うことしかない。

そのために免疫力を上げるとされる発酵食品として、ぬか漬けを漬けたいと思っていた。それも、おいしいやつ。もう一回グーとパーで戒めながら言うならフルーティなやつ。

ありがとうおばちゃん。

我が家はこの楽園分室で、健康を培って行くます!!

近々頼まれてもいないのにおばちゃん検定に強制的に提出し、一発合格を狙っているのであった。