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本場隠し味の恐怖

今日みた夢で、私は野性爆弾の肉糞太郎こと、くーちゃんになっていた。
深層心理にああいった男になりたいという思いがあったとは。

夢の中の私は肺活量があり声もでかく呼吸が楽で、水を得たサカナのように傍若無人に振舞いつつ、それでいて皆から愛されていて大変幸せでした。いいなぁ肉糞太郎。

ところで、今日の夕飯は餃子です。
実家で母と作る餃子は和気藹々と、子供の頃から一緒に作ってきた歴史なんかも感じつつ、どう?ワシ上手になったかしら?なんて会話も弾んで最高に楽しいもんです。

そして餃子といえば思い出すのが、本場隠し味の戦慄…。

私が学生だった頃、大学内には小さな寮があり、そこに中国からの留学生の人たちが暮らしていました。
私の友人と同じクラスだったある女性、仮にリュウさんとしましょう、彼女が、その我が友に、お仲間も一緒に寮にご飯においでよと誘ってくれたのは多分我々が2回生の頃。

その日、友人は私だけでなく他の友達も誘って、計3人くらいで寮にお邪魔しました。

リュウさんは20そこそこの私たちとは違い、結構年上で、目じりの皺も鮮やかな、皮膚感の薄い声の大きい、いつも笑顔でちょっと強引なくらい明るい人でした。

厨房に案内され、「今日はみんな餃子作るよ!一緒食べるよ!」と既に用意されたタネと皮を前に、談笑しながら餃子を包み始めました。

私は、本場中国の人の機械のように正確で華麗な手さばきに見とれつつ、我々の遅いながらも個性的なその家、その家の包み方を楽しみつつ、絶句しました。

そう、絶句。

手も止まり、目玉をひんむき、周りの仲間達もその異変においどうした?と感づくほどの饒舌な阿鼻叫喚たる絶句。

リュウさんは、学校の話、先生の話、お国の話、色々な話をしてくれつつ、3個に1個の割合で、スプーンでタネを皮に置くやサッと鼻クソをほじってはシレッと優雅に包んでゆくのです。皮で、それこそその指を拭くようにして。

全員の視線がリュウさんの手元に集中します。

ゴクリ…。

BGMのリュウさんの独り語りは止まりません。私たちの脳は、迫り来るロシアンルーレットの予感に静かに、そして最速で事態を飲み込もうとフル回転しはじめました。

我々のは各々包み方でソレと分かる。そして、爆弾は…3個に1個…。

食べてないのに腹痛でも起こして即座に辞退したいッ!!ついに我々は言葉を越え目で、心で、会話を交わしていました。
しかし、リュウさん、おかまいなし。言葉の壁ではなく鼻クソという天井の見えないハイウォールが万里の長さで我々の間にそびえているのにおかまいなし。

…餃子は、我々の、そしてリュウさんの全てのモノがランダムに並べられ、フライパンへ。

人間というのは、人は騙せても自分を騙すのは難しいものです。

「ぉぉ美味しいですッッ!」そう口々に良いながら、飲み込もうとするとリバりそうになり、涙ぐむ我々ッ!!泣く程美味しいならどんどん食べてと無茶をおっしゃる待ってよリュウさん!!
ただ、3個に1個だから、コレは、コレだけは違う!そう信じて、インターバルに日本人制作ブツを挟みつつ、戦い抜いた餃子交流、激戦の1日でした。

その後、私は同じ機会に恵まれてしまった時のことを想定してか、少しでもロシアンヒット率を下げるべく、餃子を包む速度が早くなったとかならないとか。

隠し味、基本隠れているから隠し味だけど、こんなにも隠し通して欲しかった、今からでも遅くないから隠れて欲しいものはありませんでした。



※リュウさんは確かに中国の人だったけど、全ての本場中国餃子にアノ隠し味があるとは一応思ってませんかしこ。色々と激しい人でしたが、今は良い思い出です。(一部除く)