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リトルフォレスト

五十嵐 大介
講談社
全2巻



昨日にひきつづき襟を正すアタクシにとっての戒め本。
一読すると、恋を失くした主人公の女の子が故郷の里山に戻り、生き方を見つめなおし、再出発する物語。

二読すると、里山の、山の恵みと、大地と対話しながらその豊かな収穫に魅せられる「田舎暮らしのススメ」的な物語。

三読すると、閑話休題的ページにまで、ざっくりに見えて、かなり簡素明晰な山菜・野菜や木の実類を使った豊富なレシピが山盛りの料理本。

四読すると、電気・ガス・水道、便利が普通に生まれ付いて、ライフラインがお金さえ払えば自由な分、あたまだけが一人歩きして、生を活かす生活の知恵がカラダにコレと言って入っていないことに気づき、「やべー!梅干しとか作れねーし!山菜、つくしくらいしか見つけれねーし!火が怖くて天ぷらできないまま35ッ!」と、色々ヤバいよーな気分になる本であり、体を動かして解かることの方が頭で考えるより大切な時もあるよなぁと、結局考え込んでみたりできる哲学的な本だったりする。

折角田舎出なのに、小学校の頃に理科の実験で使うじゃがいもくらいしか育てたことないし、祖父母の代が普通に出来たであろう味噌・梅干し作りは元より、父母が出来る食べれる山菜摘みなんかもちゃんと出来ないままだなぁと思う。

なんだかもったいない。折角の田舎なので、これは土に目覚めるべきなのでは!?

ということで、トマトとパクチーとしそから育ててみます。

いや、感想文感想文。

お話の途中途中で話される会話に はっとさせられることが沢山詰まっている。

私はバリゾウゴングチアッコウ(罵詈雑言愚痴悪口)を生きがいとしているのだけど、この本を読むと、ビシャッと今までくちにしてきたそれらの悪いものが天から降ってくる気分になり、珍しくしおしおと反省したりするのである。

大地を相手に、自分の手でいちから野菜を、お米を育て、動物を絞め、真摯に命を育んで、育まれていく生活が、主文である女の子の人生の物語の脇で、当然のこととして生き生きと大切に描かれているから、ニート、超反省。

この作者は実際、岩手県の衣川の大森というところで3年くらい農家をやっていて、その体験から、大森→小森→リトルフォレストとなっているようです。既にそこには居ないとのことだけど、今回の震災でどれくらいショックだったか、と思う。

原子力は谷になっているところに吹きだまりホットスポットになる。
山里は山に囲まれているから、大森に影響が出ないことを心から祈る。震災の影響が少ないことも。
山菜やきのこ、渓流の淡水魚も放射能に強く汚染されてしまう。そしてその影響はこれからどんどん実態を表し、長く煩わされることになる。

それでも、物語に出てくる人物の言葉を読むと、今もPCで電気を消費している私はうしろめたい。


『他人に殺させといて殺し方に文句つけるような そんな人生送るのはやだなって思ったんだよね』
(主人公の後輩のユウタの、手厳しい長セリフの絞めの言葉。↑これは多分食肉とかに対するコト。発電に置き換えて。)

行動を伴わない批判はきっと届かない。





でも言うけどね。←反省タイム終了。